Y7を振り返って

金曜日の夜は子供も私も一番ほっとする時間です。大体この時間に子供とたくさん話をします。今日はY7の時の話になりました。今だから話せることです。

Y7の時は正直本当に困難の連続でした。その時の心情や本当のところを話してくれました。

  • どんぐり倶楽部ではATSと良く言いますが、これは何も小学生のためだけにある言葉ではなく、その後も大切だと思います。子供はY7に入ったとき友達がいませんでした。Primary のときの同級生は一人も子供と同じ学校に行きませんでした。
  • 子供は、友達は空気のようにあまりにもあたりまえのようにいるものだと思っていたそうです。それがある日突然いなくなり、初めてその重要さが身にしみたと言います。
  • Y7に入った後、1ヶ月くらいは学校で先生以外とはほぼ一言も話しをしませんでした。その上、一番下のクラスでしたのでこのままでは自分の夢が遠のくのではないか、と本能的に思ったそうです。
  • そしてその気持ちは一気に勉強に向かいます。それは競争心からでは全くなく、このままでは夢が遠のいてしまうという恐怖からだったそうです。当然、人種的な難しさもありました。
  • 学校では、とてつもない集中力で授業を聞き、家に帰ってきてからは宿題など集中力を保ったまま続けました。
  • ある日、こんな経験をしたそうです。自分の中で自分自身の限界の狭間にいるような「とても危険でまずい状態だ」
  • その時「自分の性格が野生的で攻撃的で野獣に変化してしまう」、そしてそう感じた瞬間「雷が落ちてすべての電源が落ちたように」、「頭は全くの空白、真っ白、全く何も考えられない状態」を感じたそうです。
  • 「とにかくあの時の自分はどうかしていた、あんなこと(信じられないほどの努力)をよくやったな」、「自分でいうのもなんだけどあんな極限状態までやるのは普通の人は無理だ」と言いました。
  • その時、食事の仕方に変化が起きました。朝、パンを小鳥が食べるような小さな大きさにちぎって食べたり(心ここにあらずというような感じで)、量が減ったりしました。私は、それはずっと注視しており私だけが病院に行って子供のことを相談したこともあります。子供はそんな食べ方をしていたことを一切覚えていません。食事の量が減ったことも覚えていません。本当に深刻だったのです。
  • 今思えば、あの時、身近に話ができる友達がいたらもっと違っていたにちがいない、友達の存在の重みをなめていたと本当に思う、と子供は言います。
  • あの時、自分自身を保つためにやったことすべてに共通していることがある。それは、擬似的にでも人と接するような事。あの時、子供は、学校から帰って意識的に集中力を切るためによく Youtube を15分ほど見ていました(家にテレビは無いので)。内容は料理番組が主です。なぜかと言うと、画面の向こうの人が自分に話しかけているかのようだからだ、と。
  • あの時なぜ Survive できたと思う?と聞いたときに「難しい問題をどこまでもねばって続けたというあの Primary の時の”ねばり”だ」と。
  • 究極に追い詰められたときに反射的に心に浮かんだことは、どんぐりのときの楽しい気持ちというよりは、あの時絶対にあきらめずに「ねばりにねばった」あの感覚だ、と。
  • Secondary では、前からその学校に在籍している子と外部から入った子とでは、Y6までの学習内容がかなり異なっており、はじめは相当ギャップがありました。そのギャップを埋めることや全く環境が変化したことなどが短期間に集中したことも悪かったと思います。

これが私と子供のどんぐりの結果の一側面です。良かったのか悪かったのかは分かりません。私がどんぐりとともに歩んできた道のりは平坦なものではなく困難が相当伴っています。

子供とかけがえのない楽しく過ごした日々は不変です。子供といっしょにいるときには記憶にある限りほぼすべての時間は楽しい時間を共有したつもりです。しかし、私自身の気持ちは、大げさな表現ではなく命掛けでした。仕事そっちのけですべての時間を使いました。学校の教師とは下手な英語で大喧嘩を何度もしました。

そんな私の余裕の無さが子供に知らず知らずのうちに伝わっていたのかもしれません。何か気が付いていない大切なことが抜けてしまったのかもしれません。自分自身本当にこれでよかったのか?どんぐり理論をうまく活用できたのか?との疑問は消えることはありません。

幸いなことに現状は、子供には随分余裕が生まれ、友達もできて安定している状態なので安心しています。「僕みたいに詩の宿題を書くのに何日もかけているお友達はいないよ」、それ無理していない?と聞くと「もう全然大丈夫だよ、楽しいし」と話してくれていることに救われる思いでいます。

<追記 11/10/2014>

今日は海の公園に行きました。妻と下の子は海で砂遊び、私と子供はそばの公園でサッカーをしながらもう一度昨日のことをいっしょに考えました。

  • 結論としてはやはり現時点ではこれで良かった。
  • Y7の後半頃以降くらいからは全く問題ない。
  • 過去どんぐりをやっていた日々を二人でできるだけ詳しく思い出してみた結果、やはり正しくできていたと思う。
  • Secondary での「落とし穴」のようなものに落ち込んでしまった原因は、現時点で「友達の存在」が最も大きな理由と「分かって」いる。
  • 自分で追い込んでしまったが、そこを凌ぐ力を持っている。その力の源泉がどんぐりであることはゆるがない。追い込んでしまった理由もはっきりしている。
  • 追い込んでしまったといっても、楽しいと感じてやっていた部分が多かった。
  • 子供の精神面を危機に晒してしまったのは私の責任。どのような対応がベストだったのか今後も考え続けます。

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