今日の文章題 「数列」

(掲載日:2013年6月16日)
今回も算数オリンピックの問題を選んで楽しくやりました。

今回の問題は数学の要素が色濃く入っている非常に良い問題だと思います。解けるとは思わなかったのですが実に見事に美しく解いてしまいました。

問題 92年ファイナル(1)
(高校で習う数学にちょう戦してみましょう。大学の入学試験に出ても少しもおかしくない問題ですが、小学5年までの算数の力がしっかりついていれば解ける問題です。)

  • ある決まりにしたがってならんだ数の列を「数列(すうれつ)」といい、数列の中の一つ一つの数を「項(こう)」といいます。
  • そして第一番目の項に、ある数を次々にかけて行ってできる数列を「等比数列(等比数列)」と呼びます。かけて行く数は整数とは限りません。
    • 例えば、「3、6、12、24、48、96、192」は、3に次々に2をかけて行って作った、項の数が7個の等比数列です。
  • すべての項が100以上、1000以下の整数で、もっとも多くの項がならんだ等比数列を作りなさい。ただし、1をかけて行ってできる数列は除きます。

確かに大学入試で出てもおかしくないですし、パターン学習しかしてきていない大学生には解けないようなレベルです。

子供はTry&Errorでかけて行くべき数を限定していって、その後にはじめの項を絵図で見つけ解きました。正直驚きました。この問題はすでに算数の域を出ており数学的な発想を要するものだからです。そんな問題を「これはいつもと違う。おもしろい!」と言って取り組んでいる子供の姿に感動しました。

今回特に目をひいた点は、まずTry&Errorでおおよその察しを付けてそこから法則を見つけようとしたこと。また、何度も行き詰った後「もう一度最初に立ち返って考えよう。そうだ!今回は絵をちゃんとかいていない、絵をかくことから始めよう」と言って絵をかきはじめた点です。

この過程を人から言われるのではなく自発的に行えているという点が今まで「ゆっくり丁寧」を続けてきた一番の成果だと確信しました。本物の思考力を持っている子供の表情からは心に余裕たっぷりの自信がみなぎっています。

あと、今回はSATSが終わり精神的に非常に安定していたということもとても大切な点です。もしもストレスがかかっている状態であったならこの問題が解けていたとは到底思えないからです。どこまでいっていも「ゆっくり丁寧」なのです。それをさえぎるような状態であったならば無理をせずリセット最優先で対処すべきであることを今一度確認しました。

MO_1992_Final_No1MO_1992_Final_No1_1MO_1992_Final_No1_2MO_1992_Final_No1_3

戻る

コメント


認証コード1447

コメントは管理者の承認後に表示されます。