驚くべき視点

私の子供が驚くべき視点を話してくれた。とても貴重なので記録。

これまで12歳を目処に思考回路の作成を最優先させて私たちは日々楽しく過ごしてきた。子供は、12歳くらいまでは余計なことをせずゆっくりと本当の思考力を養う必要があるという程度に理論を理解している。

自分の考えはパパの言っていることと少し違う。でも自分の言うことの方がパパの理論よりも Make sense だと言うのである。以下ポイントを整理。

  • どんなことよりも大切なことは「楽しい」と感じること、「楽しい」とは何かが分かること。その楽しいと感じる気持ちと考えることが楽しいと感じることがリンクすること。このことが最重要。
  • この「楽しい」という感情そのものを感じられるようになって、その感情が考えることとリンクできるのは12歳ではなくもっともっと早い時期でそれができる期間ももっともっと短い。たぶんY2くらいまで。でも記憶が残り始めるような年からでないと意味がない。つまり6歳くらいから7歳前後くらいの1年間から2年間くらいのような気がする。
  • パパとお風呂に入りながら算数を考えたりするのが何よりの楽しみだった。毎日その時間が来るのが楽しくてしかたなくて、6–7歳ころの自分の記憶はそればかりが残っていてそのことがすべてだった。(注:この頃1から10までを足し合わせる良い方法はないかひたすらお風呂の時間に考え続けた日々があった。1年近くは続いたと思う。お風呂専用のクレヨンを買って、お風呂の壁やいらない紙を貼ってとにかく良いアイディアがないか書いたり考えたりを途方もなく繰り返していた)
  • このときに楽しいとは何かを感じることができた。この時期にしかその感情を理解することはできないような気がする。だから、ゲートは12歳までに思考回路を作るというひとつだけではなく、楽しいことがわかることのできるゲートがもうひとつある。それは7歳くらいに閉じられてしまう。
  • もしもそのゲートをくぐれなかったらその後にいくらお絵かき算数をやっても今みたいに楽しめないような気がする。
  • 自分はキャラクターとか書くのが楽しくて仕方がない。たとえ過去書いたことのあるキャラクターと同じものが問題にでてきても、今度はどんなキャラクターにしようか考えることが楽しくて仕方ない。でも、もし第1のゲートをくぐっていなかったなら今みたいに思うことができないと強く感じる。あーあ、また同じキャラクターか、みたいに感じていると思う。
  • そしてもし第1のゲートをくぐることができたのならその後、たとえマイナスの学習を強制されたり、せざるを得なくていやな時期を長く過ごしたとしても、またあの時の楽しい感覚を瞬時に蘇らせることができてダメージをほとんど受けなくて済むと思う。
  • もしも第1ゲートをくぐれていなかったなら、マイナス学習を強烈にやった場合、もうもとには戻れないと思う。
  • だからゲートは1つではなく2つあると確信している。多分、第1ゲートの方が第2ゲートよりも遥かに重要で、12歳頃の思考力の強さは第1ゲートをくぐったかどうかで実はすでに決まっているような気がしてならない。パパは第2ゲートをうまくくぐれたかどうかでセカンダリー以降の伸びが決まってくると教えてくれているが自分は違うと思う。第1ゲートをくぐれたかどうかにかかっていると思う。
  • そして学校でクラスのみんなを見ていると第1ゲートをくぐれている人は少ないと思う。特にトップクラスの子達はたぶん楽しいとは何かを分からないのではないかと思っている。
  • パパはテレビやゲームはダメだと言っているが、第1ゲートをくぐっていれば、考えることの方がそんなことより遥かに楽しいと分かっているからそんなにテレビを見たりゲームをしたくなったりしない。だからテレビを見たり、ゲームをしたりしてみれば第1ゲートをくぐれたかどうか分かる。
    プライマリースクールは、学校の授業などY2くらいまでは本当に緩くて負担がほとんどない。だからその時期が「楽しい」ことを理解するのに最適に思える。自分がそれを感じた時期がY2くらいで一致する。
  • そして考える問題は難しければ難しいほど良いと思う。簡単にはあきらめずにねばることがどういうことなのか得ることができたと思うから。
  • とにかく一番最初は何をやるから、何をやったから、ということより「パパといっしょ」だったから楽しい、「いっしょにいるのが楽しい」というのがすべてだった。だから第1ゲートをくぐらせてくれてパパには本当に感謝している。

これは私が言っているのではなく私の子供が言っていることである。いつも信じられないオリジナルの工夫を見せてくれて驚かせてくれているが、今回私に語ってくれた考えのあまりの鋭さに正直言って反応できなかった。

私よりも遥かにどんぐり理論を理解している。

これはどんぐり理論で出てくる「喜怒哀楽」の話である。当然、私の子供はそのことは知らない。だが自分の感覚で実感して分かっているのである。

喜怒哀楽の「哀楽」の感情を得るのは難しい。「楽」の楽しいという感情を得ることが簡単ではないことを子供は自分の感覚で分かっているのである。

本当に鋭い感性である。

    コメント

    • 感味力→視考力

      ⚫︎おみごと〜。でふ。


    • 感動しました

      ルクセンブルクでどんぐる教室というものをやっているものです。レオン君の日記からこちらへやってきました。貴重なお話をシェアしていただき本当にありがとうございます。もっと早くにこの記事を見たかったと思いました。私自身楽しいとは何かを知らずに育ってきましたので、どんぐり問題を子供と一緒に行いながら私自身も成長出来たらと思っています。自分が分からなくてもどんぐりには理論があるし、型があるのでその通りに行えば子供はちゃんと育ってくれると分かっていても、自分の心理状態や感情を上手くコントロール出来ず理想とは程遠い育児になっていることも多々あります。今後も度々ブログにお邪魔させて下さい。素晴らしい息子さんですね。そして、そのように育てられたお父さんを心から尊敬します。


    • Re: 感動しました

      コメント下さいましてどうもありがとうございました。
      私には過分なお言葉をいただきまして大変恐縮しております。実際には、数え切れないほどの失敗と"try and error"の繰り返しでとてもほめられたものではないんです。。。
      「どんぐる教室」はとても良く存じ上げております。特に5歳までのページは幾度と無くご参考にさせていただいておりますし、どんぐる先生様の精力的なご活動にはいつもすごいなあと思っております。私もまだだいぶ先になりそうですが、本業が落ち着いたら近くの学校などを中心に活動できることを夢見ております。今後とも是非よろしくお願い申し上げます。



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