イメージ再現
人は言葉や文字そのもので分かるのではない。
- イメージがまず先にありそのイメージを言葉や文字が引き出す。
- イメージがなければそれを表す言葉や文字の発音、形を知っているにすぎない。
「葉っぱ」という言葉
- 樹木についている緑色の楕円形に近い形などをイメージできるから理解できる。
- 葉っぱをみたことがなければ何度「はっぱ」ときれいに発音できても理解できない。
大自然の中での遊びを通じた実体験がとても大切
- 実体験をベースにしたイメージ再現によって実感を伴った深い理解ができる。
- その深い理解が本当の自信を得るための元となる。
「何度でも分かるまで読みなさい・本をたくさん読めばよい」?
- このようなよく聞かれるコンセンサスが的外れであることが分かります。
- 実体験がないのにいくら読んだところで本当に理解することはできない。
イメージ図を動かす
例題 Y4-Y6向け
- カメカメ校長先生は、出張先でえび風味タートルフードをおみやげに買ってきました。今日、カメカメ学校の生徒の小ガメたちにそのおみやげを配ることにしました。はじめの4人に5個ずつ配り、残りの生徒に4個ずつ配っていくと4個あまりました。全員に6個ずつ配ろうとすると2人分足りなくなってしまいました。小ガメたちは何人いるか調べてみましょう。またえび風味タートルフードはいくつあったでしょうか。
文章をイメージ再現する 「文章 ⇔ イメージ」が最も大切
NO1 理解:イメージ再現できた段階
NO2 比較:NO1を見ているとある部分に気づく
NO3 移動と変形:NO2の丸で囲んである部分に着目
NO4 移動:NO3の四角で囲んである部分を動かす
絵で考えることによって自動的に見えてきます
- 図4の上と下が同じになることが分かりますので、4人から先の何人いるのか分からない部分が自動的に見えてきます。
- 最初の4人、次の4人、最後の2人を足して小ガメたちは全員で10人。
- タートルフードは6かける8で48個と分かります。
- ここで使用する計算は「4+4+2」と「6×8」だけです。
- しかし、この計算に至るまでの過程は決して単純ではありません。
- 何が必要なのかは言うまでもありません。
方程式など用いなくても解けます
- 方程式はセカンダリースクールに行ってからで十分。
- 逆にプライマリーの段階で方程式は使うべきではない。
- イメージ図で考えることに限界はありません。
- イメージ図で考えられないとパターン認識で対応するしかなくなります。
- いくつパターンを知っているか、その問題はどのパターンに当てはまるか探す、という非常に低次元の思考になってしまいます。
- パターンで解いたお子様と何日、何週間もかけて自力で解いたお子様とではどちらも解答できたという事実は同じです。しかし、「学力」の養成という観点からはその差はあまりにも大きいのです。
この訓練によって考えることがどういうことなのか分かる
- 考える方法が分かり、その訓練を積み重ねることで本当の自信がつく。
思考回路とは
文章をイメージで再現して、そのイメージを得たい結果に近づけるように動かせるような力
- 作品集の中に Wembley Stadium's Ticket Box という作品があります。この作品にはイメージを移動、変形、比較、複写させ、ふんだんに動かしたあとが見られます。
- この問題は難易度としては相当高い部類に入ります。塾でパターンを習ってそのやり方をコピーして解ける子供はいるでしょうが、この問題を全く自分のオリジナルの工夫だけで解ける子供がどれだけいるでしょうか。この作品には式もなければ計算すら全くありません。完全にオリジナルの手法で見事に解いています。
- この絵図だけを見て子供が何を考えているか理解することは大人でも難しいと思います。少なくとも私は見ただけでは分からず、説明も1回聞いただけでは分かりませんでした。子供には完全に本質が見えていて「こっちの絵をこっち側にコピーして、上の絵を引くの。残った絵に2台割り当てて、こっちの残りを4で割って5分、ね、簡単でしょう」と説明してくれました。脱帽でした。
- 複雑に見える問題を信じられないような工夫でシンプルにし、じっと自分の絵を見て答えをポンと言う。私はこのようなイメージ図を動かすことを可能にしているものが「思考回路」だと思っています。私にはまさに目の前の子供が思考回路の存在の証拠そのものであるとしか言いようがありません。