2014.09.25
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言葉の裏
私の恥ずべき話。
低学年のときの子供のお友達で東欧出身の子がいました。その子の生まれたところは非常に治安の悪かったところだったそうです。そのような所から逃れて英国に来たとのことでした。このように事情をかかえた子供達は必ずしもめずらしくありません。
その子はよく妄想のようにきこえるようなことを言う子でした。例えば、
- 「オレはラクダをナイフで殺して食べたことがある」
- 「海の底でサメと戦ってサメを殺したことがある」
- 「ライオンと格闘して殺したことがある」etc
私は、「そんな妄想ばかり言っているその子は大丈夫かね」、なんて気軽に子供に話していました。
後に、生徒が自分の忘れられない体験を話す、というような授業がありました。そしてその子の話です。
- その子は本当に小さいときから、おじいさんから実践の格闘技を仕込まれていたそうです。それは生き延びるためにおじいさんも教えざるを得なかったといいます。例えば、瞬時に骨を折る方法だったり、急所を突く方法だったりしたそうです。
- ある時、遊んで自転車で帰る途中に運悪く不良のいる場所を通りかかってしまいました。その子は絡まれ、不良の持っていたガラスの破片で切り付けられたそうです。
- その子は自転車から転がり落ち、その時に腕を骨折してしまいました。それでも仕込まれていた格闘技で何とか凌いで走って逃げ切ったそうです。格闘技を知らなかったら間違いなく殺されていたと思うと語ったそうです。
- そしてその子は服をまくり上げその時の深く刻まれた傷跡をみんなに見せてくれたそうです。
教室中はしばらくしずまりかえったそうです。
その子が低学年のときに言っていたことは本当なのです。まだ小さい子にとってその恐ろしい体験は、サメやライオンと格闘して生き延びたことと同じなのです。
その子は高学年になってクラスリーダーをやるなど立派な子でした。そして決してけんかなどしなかったそうです。人を傷つけることがどういうことなのか良く分かっていたのでしょう。
子供達の発する言葉には時におかしく聞こえることもあるが、その裏には鈍い大人の想像など遥かに超えていることが隠されていることがある。よくよく注意深く子供の言葉は聞かなくてはならない、とその子から教えられました。